地方には、地方にしかない資源があり、またスローライフを味わえることも大きな魅力です。しかし、その地方は、行政・教育・環境・IT・医療・福祉・観光・住宅・雇用・経済・伝統産業など様々な領域で問題を抱えており、解決するには学際的なアプローチが不可欠です。また、「地方を理解し、地方で実践する」ことも重要ですが、「首都圏を理解し、首都圏で実践する」ことも重要で、両者は相互補完関係を築き地方創生に活かします。
特に、私たちは、理論や統計を乗り越え、地域や人々に寄り添うことで、現実社会で起こっている問題の本質に迫ったり、目の前で今まさに困っている人々や組織と対峙し、本当に解決すべき課題の解決を目指しています。
学際宇宙ゼミナールでは福岡県八女市星野村に第2の研究拠点を構え、ゼミで使える一軒家と軽自動車を所有し、天文観測や地方創生の実践現場として星野村でも活動することができます。都会の学生にとって地方の現場を体験することは、自然・食・人などの観点からもとても視野が広がります。何人かの先輩達はスローライフを楽しみすぎて、データを取り終えてもなかなか帰って来なかったり、そのまま住み続けたり、卒業しても何度も訪問したりしています。
多様な研究手法
学際研究では、特定の学問分野に当てはめず、分野横断的に考えるので、まず研究のゴール(解明したいことや解決したい課題)を決めて、そのゴールを達成するために必要なデータや分析方法を決めます。研究手法の制限によってゴールが達成できなくならないよう、学際宇宙ゼミナールでは以下のような多様な研究手法を扱うことができます。その他にも、学際宇宙ゼミナールでの卒業研究では、企画や制作物、戦略提言、ICT・IoT活用、パフォーマンス、ベンチャーやNPOなど、現地での社会実践なども研究テーマにできます。
データ収集の方法
オープンデータ、実験、アンケート、ライフストーリーインタビュー、フィールドワークでの参与観察、アクションリサーチのいずれか、もしくは2つ以上を組み合わせてデータを取得します。
※アクションリサーチとは、何らかのコミュニティで活動しながら介入活動を行い、そのコミュニティに変革をもたらす実践研究です。介入対象は、一個人や一般家庭から学校・NPO・企業まで幅広いです。アクションリサーチの醍醐味は、自分の研究で人々や地域が本当に変わっていくのが目の当たりにできることと、なにより研究者本人が一番成長できることです。
データ分析の方法
インタビューや観察データの分析に代表される質的研究方法(例えば、グラウンデッドセオリーアプローチ、KJ法など)、アンケートや数量化データの分析データに代表される量的研究方法(多変量解析、統計的因果推論、因子分析、構造方程式モデリング、機械学習、ベイズモデリングなど)、もしくは質的研究と量的研究を組み合わせた3種類です。
天文学と地方創生の関係については以下をご覧下さい。